これまで弊誌でたびたび取り上げてきたゴルフ場利用税の問題。今後の動向が見えてきた。
利用税は消費税とは別に、ゴルフ場によって800円~1200円が徴収される。ルーツは1954年にできた娯楽施設利用税。ゴルフ場、パチンコ、麻雀、ビリヤード、ボウリングなどの利用に対し地方税として娯楽施設利用税がかかっていた。1989年の消費税導入の際、ゴルフ以外が廃止され、ゴルフだけがなぜか取り残され、現在まで残っている。ゴルフ業界は、この数十年、署名活動やゴルフ振興議員連盟との連携などで廃止運動を継続してきたが、廃止に至っていない。2003年度税制改正で、18歳未満、70歳以上、国体のゴルフ競技参加選手等にゴルフ利用税の非課税処置が規定されたのが唯一と言っていい成果である。財源として年間500億円近くの地方税であり、廃止に向けて膠着状態が続いている。
そのなかで、スポーツ庁とJGA(日本ゴルフ協会)が協議し、令和2年度税制改正要望において、2020年東京五輪の開催を来年に控え、将来にわたるゴルフ人口の拡大、生涯スポーツとしてのゴルフ振興、健康寿命の延伸の観点から、非課税対象を18歳未満から30歳未満、70歳以上から65歳以上に拡大し、オリンピックを含む国際大会出場選手及び全国的なアマチュアゴルフ競技出場選手への非課税処置を要望することが決まった。
オリンピック参加選手からゴルフ利用税を取らないことは当然として、30歳未満までに非課税対象が広がり、少しでも若者のゴルフ参加希望者が増えることを期待したい。この非課税対象枠の拡大は決定したことではなく、これから年末にかけ令和2年度税制改正大綱の中に盛り込まれるかどうかによる。今後もこの動きに注視したい。
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