かつて宮里藍と世界ナンバー1の座を競ったノルウェー出身のスーザン・ペターセンが現役引退を表明した。
劇的な幕引きだった。アメリカと欧州選抜がチーム戦で激突する女子版ライダーカップことソルハイムカップ。 9月中旬にスコットランドで開催された今年の大会はまれに見る接戦で大いに盛り上がった。そんななか有終の美を飾ったのがペターセンだった。
最終日のシングルスは最後の1試合を残して両チームが13・5ポイントで並ぶ展開に。しかもペターセン対マリナ・アレックスのマッチは17番までオールスクェアで決着は最終ホールに持ち越された。
18番パー5、アレックスが4・5メートル、ペターセンが2メートル強のバーディチャンス。これをアレックスが外し、ペターセンが決めれば欧州が3大会ぶりの勝利となる。だが外せば引き分けで目下2連覇のアメリカにカップは引き継がれる。
チームメイトと観客が固唾をのんで見守るなか、ペターセンはそのバーディパットをねじ込み、天を仰いでガッツポーズ。
「これ以上ない結末。これだけの接戦を制して歴史をつくることができたわ」と興奮気味に語ったペターセン。するとそのあと彼女の口から意外な言葉が飛び出した。
「これが私にとって最後のソルハイムカップ。ホームのギャラリーの前で勝ててよかった。プロゴルファーとしてのキャリアもこれで終わり。やりきりました。こんな素晴らしい結末はないでしょ?」
結婚、出産を経験し38歳になったペターセンはここ最近、子育てを優先し、3日間トーナメントにしか出場してこなかった。経験とメジャー2勝の実績を買われカトリオーナ・マシューにキャプテン推薦で選ばれた彼女は勝っても負けても「これが最後」と決めて試合に臨んでいたのだ。
有終の美を飾り「思い残すことはない」という本人の言葉通り“これ以上ない"引退劇だった。
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