米ツアーでは早くも新シーズン(2019-20)がスタートしたが、昨シーズンの総括によると、コースセッティングが変わってきているようだ。
昨シーズンの賞金王ブルックス・ケプカは、17-18年シーズン(一昨シーズン)の平均飛距離313・4ヤードから18-19年シーズン(昨シーズン)に309ヤードと4ヤード強落とし、その分フェアウェイキープ率を58・41%から61・85%に上げている。16-17年、17-18年シーズンの賞金王、ジャスティン・トーマスは、18-19年シーズンは賞金ランクこそ8位だが、一昨シーズンの311・8ヤードから昨シーズンは302・2ヤードと10ヤード近くも年間平均飛距離を落としているのだ。また、ダスティン・ジョンソンも314ヤードから312ヤードへとわずか2ヤードだが飛んでいない。この3人とも両シーズンの賞金ランキングのトップ10プレーヤー。
トップテンの10人の年間平均飛距離を見ても、308・39ヤードから昨シーズンには303・74ヤードへと5ヤード近くも落としているのだ。この10人の平均ストローク数は、一昨年の69・373から69・379とほとんど変わっていない。一方フェアウェイキープ率は59・634%から昨年の61・667%に若干上がっている。
どういうことかといえば、コースセッティングで、ラフを深くしたり、300~310ヤードを越えるあたりのボールの落下地点のフェアウェイを狭くしたり、あるいは、フェアウェイをキープしないと、なかなかグリーンを狙えない、止まらないようなセッティングに変えている可能性が高い。選手にすれば、平均ストローク数で69台の下のほうで回り、トップランカーになるには、飛距離を落としても、狙った場所に落とすほうが有利だと考えているというわけだ。
以前小欄の記事で、ビッグスコアが出やすくなっている状況についてアダム・スコットが「ヤーデージを伸ばしても意味がない」と発言したことを紹介したが、男子プロの飛距離の伸びに神経質になっている昨今、こうしたコースセッティングは今シーズンも踏襲されていくのではないか。
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