米女子ツアーが欧州女子ツアーを吸収合併する可能性が出てきた。
米女子ツアーが買収に乗り出したのは1年以上前のこと。しかしそのときは欧州女子ツアーのCEO、マーク・リヒテンシュタイン氏によって拒否された。しかし今年、ソルハイムカップが終了した直後に当のリヒテンシュタイン氏が退任したことで再び両ツアーの統合に関する話し合いが本格的に行われるようになった。
「われわれが欧州女子ツアーを運営することでヨーロッパの有望選手に直接米女子ツアー参戦の機会が広がります」とメリットを強調するのは米女子ツアーのマイケル・ワンコミッショナー。
その言葉を後押しするように欧州を代表する名プレーヤー、ローラ・デービーズも現状を憂い、両ツアーの統合を望む発言を口にした。「ヨーロッパは致命的に試合数が少ないという問題を抱えています。将来のある若い選手には気の毒な状況です」
デービーズの指摘のとおり、欧州女子の今年の日程は5月25日~7月25日が空白。気候の良いゴルフシーズンに1試合も開催されなかった。
また、両ツアーの賞金にも大きな隔たりがある。たとえば19年の欧州女子ツアー賞金ランキング20位につけるユースラ・ウィクストームの現時点での獲得賞金は5万5000ユーロ(約666万円)だが、米女子ツアーで同順位のモリヤ・ジュタヌガンは73万2000ドル(約7935万円)。その差は歴然だ。
ソルハイムカップの欧州チームキャプテンを務めたカトリオーナ・マシューは言う。「ヨーロッパでプレーする若手は競技だけでは食べていけず、なんらかのアルバイトをしなければならないのです」
その惨状に欧州男子ツアーが手を差し伸べ、男女混合の試合が実現した(前頁記事参照)。しかし、ツアーを安定的に継続させるためには米女子ツアーに吸収合併される道も視野に入れる必要はあるのだろう。
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