アマ優勝の際の賞金は寄付できるんですよ!
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/12/10号
2019/12/23更新

アマ優勝の際の賞金は
寄付できるんですよ!

 金谷拓実が優勝した今年の三井住友VISA太平洋マスターズの優勝賞金は4000万円。実はこれ、寄付に回すこともできたのだが……。

 2016年1月に改訂された「ゴルフ規則」のアマチュア資格「規則3 賞品」の項「3-1bチャリティーのための賞金」の条文に「アマチュアゴルファーは、その主催者が事前に統括団体の承認をまず得ることを条件に、賞金やそれと同等のものが広く認められたチャリティーに寄付されるイベントに参加することができる」との記述がある。

 つまり、今回の金谷のケースでいえば、VISA太平洋マスターズの主催者がトーナメントを主管するJGTOの承認を得て、当該試合でアマが獲得した賞金を、たとえば今秋の台風で被災したエリアに寄付する、などと表明すれば、金谷が獲得した賞金が全額寄付に回される。これは先月、富士通レディースで優勝(優勝賞金1080万円)したアマの古江彩佳のケースも同じだ。

 こうすればアマが優勝した場合、2位のプロが優勝賞金を手にして、しかもその金額が正式記録として残る不可解さも解消される。

 USGAやR&Aのルール委員の川田太三氏は「当時、革新的条文ができたと思いました。実際、USGA、R&Aのエグゼクティブディレクター、マイク・デービス、ピーター・ドーソンと話した折には、災害の多い日本で是非実現して前例をつくってもらいたいというような願望を感じました。しかし制度ができても、JGAが先陣を切らないことには実現しないでしょう」

 確かにJGTO、LPGAもプロの権利、保護を優先する組織。自らこの条文実現に積極的に動こうとしないだろう。17年、畑岡奈紗が日本女子オープンを連覇した際、JGAの山中博史専務理事にこの件を聞くと「対象になるチャリティー先の選別に慎重にならざるを得ないことと、プロ団体とのコンセンサンスが必要ということで、難しい面があります。決してあきらめてはいませんが」と話していた。今回、その後の展開を尋ねたが、締め切りまでに返事はなかった。

 アマの賞金を寄付するのが流れとなれば、社会貢献はもちろん、ゴルフのイメージアップにもなりそうだが……。

  
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