全英は逃したが。謝罪姿勢が話題になったプロ
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/12/10号
2019/12/23更新

全英は逃したが。
謝罪姿勢が話題になったプロ

 サドンデスプレーオフに敗れ、来年の全英オープン出場を逃したアメリカのブランドン・マシューズ。彼は敗因となる叫び声を発したファンを優しく抱きしめた。

 先々週のPGAツアー・ラテンアメリカのアルゼンチンオープンは全英オープンの予選会を兼ねており、優勝者には来年の出場権が与えられる。

 優勝争いは2選手によるプレーオフに突入。その3ホール目、マシューズは相手のリカルド・セリアに先にバーディパットを沈められた。絶対に入れ返さなければならない2・4mのバーディパット。テークバックしたところで、静寂のギャラリーの間から不意に叫び声が挙がった。「体がビクッとなったままパットした」とマシューズ。すると、ボールはカップを外れ、彼は即座に声がしたほうを振り向き「カモーン、ふざけるなよ!」と一喝。「もちろん頭にきていたさ」という。

 しかし、その声の主はダウン症の中年男性で、勝負が決まる大事な場面に興奮し、感情を抑えきれなかったという。

 マシューズはそのことをロッカールームで知らされると、態度を一変。男性を探し始めた。マシューズの母・ドナさんは要支援の人たちのためのグループホームのマネジャーで、彼は発達障害の人たちとも接しながら育った。「だから、彼らに対する思いはいつも心のなかにある。それで自分がとった態度に嫌悪、動揺し、彼が落ち込んでいないか確かめたかったんだ」

 マシューズが彼を見つけハグすると「大丈夫? 楽しかった?」と声をかけ、サインしたグローブをプレゼント。男性は満面の笑顔に。

 マシューズは16年にプロ転向した25歳。米下部のコーンフェリーツアーで過去2季プレーしたが不振で、来季の出場権を逃したばかり。だが、舞台をラテンアメリカツアーに移し、復調してきたところだった。

 「全英のことを考えると心がチクッとするけど、僕はまだ25歳。キャリアは始まったばかりさ」とマシューズ。近い将来、PGAツアーでプレーする彼を見るのが楽しみだ。

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