地元メディアも知らないT・ダンカン初戴冠
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2019/12/17号
2019/12/27更新

地元メディアも知らない
T・ダンカン初戴冠

 米ツアーのRSMクラシックでメジャーチャンピオンのウェブ・シンプソン相手にプレーオフを戦い2ホール目でイーグルを決め初優勝したタイラー・ダンカン。無名の30歳、彼はいったい何者か?

 ダンカンと聞いて「誰?」と思うのも無理はない。インディアナ州コロンバス出身の彼は地元のパデュー大学ゴルフ部の出だがアマチュア時代の実績はないに等しい。

 14年にプロ入りしたあともラテンアメリカツアーを皮切りに下部ツアーを渡り歩き、17年の下部ツアーの賞金ランク11位に入って18年念願のPGAツアー昇格を果たした。

 プロとしてはミニツアー、下部ツアーを含めいままで一度も優勝経験がなくRSMクラシック2日目に1イーグル、7バーディの61を叩き出しトップに躍り出たとき「こんな選手がいたんだ」と地元メディアがざわついたほど。

 しかし3日目に今季すでに2勝と絶好調のブレンドン・トッドが62で優勝に王手をかけると、4打差の5位タイに後退したダンカンに注目する人は誰もいなくなった。

 迎えた最終日。プレジデンツカップ出場を控える強豪シンプソンが「突風が吹き荒れてタフな1日だった。ピンポジションもすごく難しかった」と泣き言を口にするなか「緊張したけれど持てる力を結集して感情をコントロールした。やるべきことを落ち着いてやり遂げた」と胸を張るダンカンがプレーオフに進出。

 すると「強い選手は終盤でスコアを伸ばしてくる。今日のダンカンみたいにね」と、シンプソンが脱帽するイーグル決着でプロ初勝利をものにした。

 「この舞台に立てただけでうれしかった。こうしてトロフィーを掲げることができて夢みたい。信じられない」と新チャンピオン。ちなみに彼の叔父でスウィングコーチのアンドリュー・ジョンソン氏はかつて下部ツアーでプレーした経験のあるプロ。今後も二人三脚の挑戦は続く。

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