南アフリカで開催された欧州ツアー新シーズン開幕戦アルフレッド・ダンヒル選手権でスペイン出身のパブロ・ララサバル(36)が4年ぶりに優勝を飾った。
3日目を終え単独トップに立ったものの、最終日に前半41を叩き首位から陥落。ズルズル後退するかと思われたのだが……。
「朝起きたときは棄権を考えました」というララサバル。その理由は左足小指にできた大きなマメ。「痛くて靴を履くこともできず、パッティンググリーンに歩いていくこともできなかった」からだ。
そのためフロント9はクラブが振れず散々な結果に。しかしそのとき彼の脳裏にふと1つの光景が浮かんだ。08年の全米オープンでタイガー・ウッズが左ひざの故障で満足に歩くこともできず、それでも気力を振り絞りメジャー14勝目を挙げたあのシーン。そして彼は自分にこう言い聞かせた。
「タイガーはひざが折れそうになりながら優勝した。たかが足のマメなんてなんだ! (フロント9で)人生最悪のプレーをしながらまだトップとは2打差。バック9に思いを込めるんだ!」
すると上がり4ホールで3バーディを奪ったララサバルが地元のヒーロー、シャール・シュワーツェルらを振り切り15年以来4年ぶりの勝利を遂げた。
「信じられない勝ち方だった。ここまでは長い道のり。ここ数年苦しんできたけれどハードワークが報われた」と歓喜の雄叫びを上げた。
バルセロナ出身のララサバルは高校時代アメリカにゴルフ留学し02年に帰国。家業の魚市場で2年修行。「お金を稼ぐ苦労を勉強した」後に、プロに転向(04年)した変わり種。08 年にはフランスオープンで初優勝を飾り、欧州ツアーの新人王にも輝いた。
その後もコンスタントに優勝を重ねたが4年以上勝星から遠ざかっていただけに、マメの痛みに耐えてつかんだ5勝目はまた格別だったことだろう。
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