ゴルフを歴史や書物から楽しもうという、いわば書斎派ゴルファーにとっては朗報だ。
ゴルフ洋書のコレクターとして著名だった故藤岡三樹臣氏( 16 年没)。マスターズのTV解説で人気のあった故岩田禎夫氏も同じく16年、鬼籍に入ったが、両氏の膨大な蔵書の一部が公開されることになったのだ。
藤岡氏は上智大ゴルフ部出身で、電気メーカーのロンドン支店長時代からゴルフの歴史本、エッセイなどを蒐集し、自宅には1万冊の蔵書が遺された。JGAゴルフミュージアム参与も務め、後事を託された現参与の武居振一氏に蔵書も任された。ルール本、コース設計論などの本はその道の専門家に形見分けされたが、それでもダンボール箱31個分が宙に浮いていたという。
岩田氏は上智大新聞学科卒業後、報知新聞入社。その後、フリーランスに。TBSでマスターズ中継が始まると、米ツアーを追っていた同氏に解説者として白刃の矢が立った。没する5年前まで、マイクを握っていた。同氏はジャーナリストらしく、蔵書は米ゴルフダイジェストのバックナンバーなど雑誌や、名手の伝記などが多く、約7000冊が遺された。そのうち、ダンボール22箱が引き取り手を待った。
手を挙げたのは吉川インターGC、高槻GCを経営するオーナーの佐藤祐康氏だ。吉川インターでギャラリー・ラウンジを設け、両氏のゴルフ界への貢献を記したプレートともに本を陳列するという。実は佐藤氏自身、アイアンのコレクターとしても知られる。20世紀を彩った名手たちのアイアンを所蔵し、日本のゴルフ100年を記念して、その名器35セットが高槻に展示されている。掉尾を飾るのは同氏の甲南大ゴルフ部の先輩でもある故中部銀次郎氏が実際使っていたネーム入りアイアンだ。
また前出の岩田氏からは蔵書とともに、アーノルド・パーマーから贈られた名器・L字パターが添えられるが、それは高槻のギャラリーに加えられる。
ともかくゴルフ界にとっては貴重な資料。散逸を免れたのは幸いだろう。両コースを訪れた際は寄ってみてはいかがだろうか。完成は2月末の予定。
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