なんと一人で運営!米女子3部ツアーは開催中
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2020/4/14号
2020/4/13更新

なんと一人で運営!
米女子3部ツアーは開催中

 世界中のおもなツアーが中断しているなか、カクタスツアー(米女子3部ツアー)が開催中だ。

「プレーできるだけでありがたい」とノードクイスト

 3月18日~20日(アリゾナ州ムーンバレーCC)の3日間大会には27選手が出場した。米ツアー8勝のアンナ・ノードクイスト(スウェーデン)が優勝して、優勝賞金2000ドル(約22万円)を手にした。通常、プロになったばかりの若手やプロを目指すアマチュアの主戦場のため、レギュラーツアーの選手の参戦は異例中の異例である。「(参戦理由は)賞金のためではありません。私のアメリカの自宅は(大会会場から近い)アリゾナ州内にあります。米政府が非常事態宣言したので、普段練習する3カ所のゴルフ場のうち2カ所が閉鎖しています。ゴルフができるだけでありがたいんです」(ノードクイスト)

 主催者のマイケル・ブラウン氏には「みんな自粛している。選手を危険にさらしてるだけだ!」という批判の声も届いている。しかし「安全面には細心の注意を払っている」とブラウン氏が言う。

「米国CDC(疾病対策センター)は50人以上集まるイベントや、10人以上の集会の自粛を勧告しています。その勧告を守って、出場選手の人数も制限していますし、出場選手一人一人にカートを用意して、選手同士の距離が近づかないように配慮もしています」。そもそも、この3部ツアーとは、ブラウン氏ただ一人が主催と運営を兼ねている。スポンサーもないため、出場選手は参加費を支払い、その合計額から順位に応じた賞金を割り当てる方式だ。“必要最小限"のツアーなのが功を奏して、いまだに開催中なのである。

 米ツアー1年目のヘイリー・ムーア(米国)も参戦中だ。

「(3部ツアーは)全ての試合が近場なので車で移動できるし、友人宅に泊めてもらっているので経費がほとんどかかりません」

 果たして大会開催が良いのか判断が難しいところだが、ブラウン氏の実行力に救われている女子ゴルファーがいることは確かである。(文・写真:南しずか)

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