先週の小誌でPGAツアーのコミッショナー、ジェイ・モナハン氏が自身の給与を全額返上することについて触れたが、今度は選手への救済措置についてだ。
現在、試合を開催していないPGAツアーは10万ドル(約1000万円)を上限に、プロたちに補償金を支払うという。ただ、それが上限とされているので、実際に1000万円を受け取る選手がどれだけいるか確かではないが、どこかの国のマスク2枚とは次元が違う話のようだ。
ツアープロは個人事業主なので、試合がなければ収入の道が絶たれることになる。そこで、PGAツアーは現時点のFedExカップのポイント上位150人の選手に対して、シーズン末のボーナスを一部取り崩し、いわば“休業補償金"にあてることにしたのだ。また、ポイント151位以下の選手に対しても、賞金やプロアマの出場費、引退後の基金、寄付や教育基金を取り崩して救済するという。さらに、キャディに対してはもともとあった25万ドルのキャディのための基金を増額し救済を行うようだ。
トッププロはスポンサー契約などがあるため、当面の生活に困ることはなく、本来なら下位の選手や下部ツアー、キャディの救済が急務なのだろうが、PGAツアーはいわばNPOのような法人格を持っているので制約が多い。それでもその制約のなかで、できる限りのことをしようという考えという。
モナハン氏は選手たちに「このファイナンシャルプログラムのニュースを思慮深く、丁重に扱ってもらいたい。もちろん私たちは私たちのメンバーのことを気にかけていますが、皆さんには世界の国々のコミュニティが非常に困難な局面に向き合っていることも認識してほしい」と訴えた。トッププロに対しては暗に寄付を促しているともとれる。
いずれにせよ、日本のプロゴルフ界では聞かれない話だ。
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