クローズをしているコースも少なくない現状だが、その"台所事情"を探ってみた。
4月21日現在で、北海道から宮崎まで116コースが休業している。
当初、ゴルフ場、ゴルフ練習場(屋内を除く)は政府の休業要請の施設に入っていなかったため、営業を継続するコースが多かった。しかし、関東では霞ヶ関CC、東京GC、相模CC、我孫子GC、小金井CC、関西では廣野GCなどが早々と休業を打ちだした。いわゆる“名門"と呼ばれるコースだが、これらはすべてキャディつきプレー。キャディの出勤に支障が出てきて……という事情もあるようだ。ともかく、現在、多くのゴルフ場がコロナ対策をしながら営業している。同対策を列記すると、スループレー、クラブハウス(ロッカー、レストラン、風呂)クローズ。受付はビニールシートで仕切り、カート運転は1人などと苦心しているが、台所事情はどう変わったのだろうか。
まず、ゴルフ場の経営状況について。ゴルフ場の経費には固定費と変動費がある。固定費とは人件費、メンテナンス管理費、固定資産税。変動費とは客が来た時に出費となる水道・光熱費、タオル代、レストラン雑費、カード手数料、ネット予約手数料などだ。一般的にゴルフ場では固定費が経費の約8割を占めるという。これは客が入っても入らなくても出ていく金である。たとえ休業したとしても、メンテナンスは定期的に行わなければならならず、固定費減は望めない。当然、売り上げが経費を上回らなければ、経営は困難になる。
ゴルフ場経営コンサルタントの菊地英樹氏は現状を次のように分析する。「コロナ禍によって来場者は通常の5割ほど。しかも2サムが圧倒的。スループレーだとレストランでの売り上げもない。5月のハイシーズンの売り上げも期待できず、マイナスの数字が出るのではないでしょうか」
そうなると、固定費のおよそ半分を占める人件費を減らすことになりそうだが。「今、業界は深刻な求人難。アルバイトやパート勤務を一時解雇するにしても、コロナ終息後、その人たちが戻ってくるか疑問です。ただ、10年後には入場者は現況のように減少すると予想されています。これを機会に、近い将来の対策を練ることが必要では」(同)
禍転じて福となればいいのだが……。
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