昨年5月、アルコール依存症とうつ病の治療に専念するため無期限のツアー休養を宣言したクリス・カーク(35)が下部ツアーで復活優勝を飾った。
カークが勝ったのはコーンフェリーツアー(下部ツアー)のキング&ベアクラシック。同週に行われたレギュラーツアー、RBCヘリテイジは補欠だったため下部ツアーに参戦。それが吉と出て最終日に4打差を逆転し優勝した。
「心の底からうれしさと感謝が込み上げてきます。2年前とはまったく違う自分がいる。一刻も早く家に帰って妻と3人の息子を抱き締めたい」
PGAツアー4勝を挙げ、15年にはプレジデンツカップのメンバーにも選ばれ傍目にはすべて手に入れたように見えた。しかしここ数年、酒浸りでうつの症状に苦しむことに。
「ゴルフにはどこまでいってもゴールはない。完璧を求めれば求めるほど苦しくなる」
一時はじっと壁を見つめたまま一歩も動けず1日を無為に過ごすこともあった。「このままじゃいけない。自分を変えなければ」と、本来なら隠したいアルコール依存症やうつを公表し治療に取り組みはじめてからおよそ1年。「クラブなんて握りたくない」という思いだったが、同じ病に苦しむ人の話を聞き、家族に励まされ徐々に自分を取り戻し、昨年11月のマヤコバゴルフクラシックでツアーに復帰。以降6試合予選落ちが続いたが、15年に4勝目を挙げた再開初戦のチャールズ・シュワブチャレンジで予選突破。結果は60位だったが「ゴルフが楽しいと思えた」。
そして翌週のコーンフェリーツアーでつかんだ勝利。下部ツアーとはいえ乗り越えてきたものが大きかっただけに喜びもひとしおだった。
「彼を誇りに思います。辛いバトルを闘い抜いたんですから」と妻・ターニーさん。
「またこの舞台に立てることがうれしい。(同じような病で)離婚したり職を失ったり破産する人もいるのに自分は最悪から生還できた。感謝しかない」。
キャリア第2章は上々の滑り出しだ。
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