デシャンボーの無理難題⁉いや、セカンドオピニオンは選手の権利
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2020/08/11号
2020/09/07更新

デシャンボーの無理難題⁉
いや、セカンドオピニオンは選手の権利

 巨大化して異次元の飛ばしを見せたりカメラマンに食ってかかったりと話題の尽きないブライソン・デシャンボーだが、今度はルールでのセカンドオピニオン問題発生だ。

 メモリアルトーナメント2日目、15番パー5。短くて狭く、イーグルもあればOBでダボのリスクもある、コース設計・大会主催者ジャック・ニクラスの“自慢"のホールだ。デシャンボーは1打目が左池。ドロップして3打目が右フェンスを越え、OB。5打目を打ち直すも、またも右のフェンスを越えたかに見え、暫定球の7打目。今度はフェンスまでいかず、結局8オン2パットの10。予選落ちを喫した。問題のシーンは3打目。ボールがフェンスの真下にあり、デシャンボーは「OBではない」と主張し、セカンドオピニオンを要求したのだ。しかし、競技委員はOBと判断し、デシャンボーの要求を退けた。

 しかし、そもそもゴルフでセカンドオピニオンは、あり得るのか?

 USGAとR&Aのルールコミッティの川田太三氏はその体験を語る。「1999年の全英オープン(カーヌスティ)では南アのデービッド・フロストがやはりセカンドオピニオンを主張しましたが、僚友の審判、マイケル・ラントは毅然としてそれを退けました。後で聞くと裁定には絶対的自信があったからだと言っていました」

 歴史的にもっとも有名なのは1958年のマスターズだろう。12番パー3で、アーノルド・パーマーのショットはグリーン左奥の軟らかい芝にめり込んだ。飛んできた競技委員は救済を認めなかったが、パーマーは救済されると主張。2つのボールを打って、後のセカンドオピニオンの判断を待つとした。結局、救済される報が3ホール後に届いて、勝利の一因になったこともあった。

「審判も人間です。選手との相性もありますし、昔は気難しい選手にはベテランの競技委員をつけるようにしていました。セカンドオピニオンは選手側の立派な権利です。審判はそれに対応できるスキルを備えていなければなりません」(同)

 権利はある!

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