「有望です」鳴尾GCで芝の新種発見!「ナルオターフ」商標登録予定
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2020/08/25号
2020/10/07更新

「有望です」鳴尾GCで芝の新種発見!
「ナルオターフ」商標登録予定

 開場して100年、関西きっての名コース、鳴尾GCに芝の新種発見という新たな歴史が加わった。

 同GCのグリーンは日本特有の高麗芝でつとに有名だ。他のコースがベントグリーンへと切り替えるなか、川奈ホテルGCと同様、高麗芝の伝統を守り続けている。

 同GCは数年前、在来種の中にちょっと違う芝を発見し、着目。鳥取県のナーセリーでこの芝の培養を始め、17年からパー3とパー5の2ホールのサブグリーンに移植し、テスト使用を始めるとともに、芝研究の第一人者である宮崎大学副学長、農学博士の明石良教授に共同研究の形で分析を依頼した。

「在来種の高麗芝にほかの花の種が交じって長年生き続け、自然偶発的に生まれた有望な新種です」(宮崎大学、明石良教授)

 同GCグリーンキーパーの上村眞知氏は「この新種を『ナルオターフ』と名付けて商標登録を予定しています。従来の高麗芝に比べて、芝の葉が細く柔らかくて横に伸びる性質があるので、スピードが出やすく転がりもスムーズです。培養にはもう少し時間がかかりますが、ほかのホールにも広げたいと思っています」と話す。

 所属の水巻善典プロの評価は「転がりが一定でパッティング技術が正確に反映されますね」とのこと。

 他コースの歴史をひもとくと、在来種の中から新種を発見したという有名な話は1929年、東京GC駒沢コースでのこと。グリーン委員長だった相馬孟胤氏は11月の枯れ芝の中から常緑の芝を発見。出身校でもある東京帝大植物科に持ち込み、培養して同GC朝霞コースで採用された。この「東京ベント」は現在でもナーセリーで生き続けている。

 夏の暑さに強い日本固有種の高麗芝から生まれた「ナルオターフ」がこの先、どうなっていくか、ゴルフ界のみならず芝の進化研究として注目されるだろう。

  
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