PGAツアー参戦27試合目にしてメジャー獲りに成功したコリン・モリカワ。ライバルが絶賛するショットは有名コーチたちの熱視線も集めている。教える立場の人間が絶賛するモリカワのスウィング、どこがすごいの?
近年、指導者の間ではスウィングに“正解"はないといわれている。2年連続国内ツアー賞金ランク2位のショーン・ノリスは「以前はアダム・スコットがお手本だったがここ10年でスウィングは変わりお手本はなくなった」という。そんななか世界のコーチが“教材"にするのがモリカワのスウィングなのだ。
ドライビングディスタンスは295・9ヤードで107位だが、グリーンを狙うショットの精度(スコアゲインドアプローチトゥグリーン)は2位。このショット力がメジャータイトルを引き寄せたのだが、コーチたちがこぞって褒めるのが手首の使い方だ。
近年、ダスティン・ジョンソンに代表されるようにトップで左手の甲を丸めフェースをシャットに使うスウィングが流行っており、モリカワもD・Jほどではないが同様のタイプ。特筆すべきはダウンスウィングもこの手首の角度をキープ、クラブを返す無駄な動きを封じ、体の回転だけでインパクトを迎えていること。この腕の動きでクラブ(フェース面)を安定させ体のスピードでヘッドを加速。だから効率が良い。スピードでいえばインパクトでおへそがターゲットを指すほど素早く回転している、というのがコーチたちによる主な分析だ。
また「テークバックも秀逸。クラブをゆっくり引いてヘッドが地面を擦るような低いテークバックはアマチュアも見習うべき」というコーチも。
手首を固定し体のスピードで正確なショットを繰り出すモリカワスタイルは「普通は左右どちらのミスも出るが彼には左のミスは絶対にない。それも長所のひとつ」。
スウィングに正解がない時代だが、コーチの声を総合するとモリカワのそれは限りなく正解に近いようだ。
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