再開した米女子ツアーでダニエル・カン(27)が圧倒的な強さを見せつけている。2週連続優勝の勢いのまま渋野日向子の連覇がかかるAIG全英女子オープンへ。強敵現る、だ。
約半年の中断を経て再開したツアー初戦では初日からトップを走り完全優勝。2戦目のマラソンクラシックでは最終日に4打差を引っくり返す大逆転。しかもサンデーバック9残り6ホールでリディア・コーに5打のビハインドを背負いながら72ホール目で逆転とまったく違うパターンでの勝利に「フェードヒッター有利なセッティングだったからドローが持ち球の私には不利だったけれど、苦手を克服できて良かった」と喜んだ。
大逆転の裏にはキャディのナイスアシストが。5打差を追いかける展開で諦めを口にしたカンにキャディは「まだ6ホールある」。すると「そっか、マッチプレーだと思えばいいのね、と切り替えられた」と攻めのゴルフを貫き、逆転に成功した。
振り返れば昨年の10月から出場6試合で優勝3回、2位と3位が1回ずつ。驚異の勝率5割と絶好調。韓国人の両親のもとカリフォルニアで生まれたカンは、3年前のKPMG全米女子プロ選手権で初優勝をメジャーで飾ったのだが、当時は黒髪でややふっくら体型。だが最近はすっかりスリムになり、髪も金髪にイメチェン。
きれいになった理由のひとつがボーイフレンドの存在だ。PGAツアールーキーのマーベリック・マクニーリーと交際中で、3歳年下の彼はまだ無名だがトップ10入り3回を数え現在ポイントランク56位と将来を嘱望される若手のひとり。出身はカンと同じサンフランシスコでスタンフォード大出身。絵に描いたようなお似合いのカップルなのである。
勝った後、大逆転負けのコーを「久々のチャンスだったのに彼女の気持ちを思うと苦しい」と思いやったカン。
「リンクスは経験がない」というが全英では渋野の最強ライバルになりそうだ。
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