彗星のように女子プロシーンに登場した笹生優花。平均飛距離260ヤードという驚異的な飛距離で「女タイガー」「女マキロイ」の呼び声も上がる笹生のすごさとは。
笹生の父は日本人で母はフィリピン人。フィリピンで生まれたため、両国の国籍を持っている。インドネシアで開催された18年アジア大会ではフィリピン代表として参加して個人、団体で金メダルを獲得した。
6歳のときに日本に移り住んだが、プロゴルファーになりたいと考えるようになり、練習環境が整っているフィリピンへ小3のときに家族そろって再移住。ここから父の厳しい英才教育が始まった。
1日中2・5キロの重りを両足につけてラウンド、トレーニング、ランニングまでこなしていたというから驚きだ。
この逸材にいち早く気がついたのは吉岡徹治だった。吉岡はかつて杉並学院ゴルフ部監督として石川遼を育てたことで知られる。
「優花と出会ったのは中2のときでした。球が空気を切り裂くように飛んで行くんですよ。『これからどうするの?』と聞くと、アメリカに行きたいと言うので、『日本に興味があるなら、僕がゴルフ部監督をやっている高校(代々木高校)があるから考えてみて。通信制だからフィリピンにいても授業が受けられるし』と話したんです」(吉岡)
代々木高校に進学した笹生は、吉岡の紹介で女子ツアーやそのマンデーなどに出場して腕を磨いた。しかし、吉岡は「お父さんの存在が大きい」と言う。
「ほぼすべての試合で、全ショットをどこに飛んだかのか綿密なメモを取っているんです。メモを見せてもらいましたけど、驚きました」
プロコーチの内藤雄士は、「飛距離特化型でなく、基本に忠実なスウィングであれだけ飛距離が出せるのはすごい。下半身を重点的に強化しているから、男子プロ並みのパワーが出せるのです」と言う。
女子ツアーの記録を続々と塗り替える存在になるのでは、というのがゴルフ界の目利きたちの大方の意見だ。
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