黒人の血を引くキャメロン・チャンプが差別問題に声を上げた。
笹生の父は日本人で母はフィリピン人。フィリピンで生まれたため、両国の国籍を持っている。インドネシアで開催された18年アジア大会ではフィリピン代表として参加して個人、団体で金メダルを獲得した。
米ウィスコンシン州で黒人男性が警官に銃撃され死亡した事件に抗議する動きがスポーツ界に広がるなか、プレーオフシリーズ第2戦BMW選手権に出場したチャンプが行動を起こした。
試合会場に登場したチャンプの足元を見ると右足が白、左足が黒のシューズ。左足には「Black LivesMatter(ブラックライブズマター)」の文字が。
5月にG・フロイドさんが警官に暴行され死亡した事件に端を発したブラックライブズマター(BLM)の波。それでも再発した悲劇にメジャーリーグやNBAなどでボイコットが相次いだが、黒人の祖父を持つチャンプは自らの言葉で発言する道を選んだ。
「世間ではすべての人の命が大切だという。もちろんそのなかには黒人の命も含まれている。だが人間は自分たちの墓穴を掘るような行動を止めようとしない。最近はビデオ映像によって事件が公にされ、人々がその件に関して意見を戦わせるようになった。声を上げなければなにも変わらない。声を上げたからといってすべてが変わるわけではない。でもこのような悲劇はこれで最後にしなければならない」とコメントした。
昨年、78歳でこの世を去った祖父・マックさんは野球のマイナーリーグでプレーした経験を持つ。チャンプは「人生のすべてを彼から学んだ」と、心から祖父を尊敬しているという。
チャンプのコメントを受け、PGAツアーも人種差別をなくす運動に賛同する声明文を発表。
「スポーツには人々の心をひとつにする力がある。差別のない世界の実現に向け手を携え現状を変えていこう」と訴えた。
タイガーがツアー選手権出場を逃すなか、チャンプは黒人系で唯一トップ30入りし最終戦進出を決めた。
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