藤田寛之のシニアデビューで注目を集めたマルハンカップ太平洋クラブシニアだが、優勝を飾ったのは篠崎紀夫だった。
藤田君に勝てました!
初日、藤田は期待通り65をマークして首位スタートしたものの、ふたりの伏兵に逆転を許し2打差の3位タイに終わった。
藤田のデビュー戦Vを阻止したのは、塚田好宜と篠崎紀夫のふたり。通算9アンダーの首位でホールアウトしていた塚田を、篠崎が17番、18番と連続バーディで追いつきプレーオフに突入。その1ホール目で篠崎パー、塚田ボギーで決着した。
篠崎のツアー優勝は07年ANAオープン以来13年ぶりだ。「初日に藤田君が突っ走っていたので、やっぱり現役のレギュラーは格が違うなあ、と思っていたんです。手嶋(多一)さんも、谷口(徹)さんもシニアデビューで勝っていますからね」と篠崎。
篠崎は昨年10月に50歳の誕生日を迎え、シニアデビュー。シーズンの残り4試合に参戦した。
「終盤の試合だから賞金額も大きいと思っていたんですけど、違うんですね。全部優勝しても賞金シードには届かない賞金額なんです」とシードには届かず、今季は最終予選会1位の資格で出場権を得た。
ところがコロナ禍で試合の中止、延期が続き1位の権利を使うチャンスが巡って来ない。しかし、所属先がショートコースを併設する練習場だったので篠崎は黙々と練習に励んでいた。
試合が始まる前に18番グリーンに飾ってある優勝副賞のフォルクスワーゲン車を見て「勝ったら、車がいただけるんですね。狙ってみます」と話していた篠崎。10年乗っている車は16万キロも走っている。車検も高くなるので、そろそろディーラーに行こうかと考えていたところだったそうだ。
優勝した日、試合会場の太平洋クラブ御殿場Cから千葉の自宅にたどり着いたのは、20キロの渋滞もあって午後9時半になっていた。「それでも家内はビーフシチューを作って、好物のガツ(豚の胃)の醬油漬けを用意して待っていてくれました」と、ささやかな優勝祝賀会で祝杯を挙げた。
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