G・プレーヤーマスターズ名誉スターターに黒人選手エルダーを推薦
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 2020/09/22号
2020/10/12更新

G・プレーヤーマスターズ名誉スターターに
黒人選手エルダーを推薦

 ジャック・ニクラスとともに今年も11月のマスターズで名誉スターターを務めるゲーリー・プレーヤーが「リー・エルダーも一緒がいい」と訴えている。

 リー・エルダーと聞いてピンとこない方のためにまずは人物紹介から。エルダーはアフリカ系アメリカ人でPGAツアー4勝。1975年には黒人として初めてマスターズに出場している。アメリカ南部のオーガスタは黒人差別がとくにきついとされる土地柄。エルダーには嫌がらせや脅迫が相次いだというが、彼は胸を張ってプレー、後進に道を開いた。だがそれから45年たったいまもアメリカは差別問題に揺れている。

「こういう時期だからこそエルダーも名誉スターターに加えるべき。彼は86歳で生前のアーノルド・パーマーより球を飛ばす」と同世代のプレーヤー。彼もまた母国・南アフリカ(南ア)が人種隔離政策(アパルトヘイト)を実施していた頃は渡航制限や差別を経験し、米ツアーでプレー中に暴漢に襲われたことも。

 134ページで紹介したようにキャメロン・チャンプが左右色違い白黒のシューズを履き話題になったが、かつてプレーヤーも全英オープンで左右白と黒に分かれたズボンを履き差別への無言の抵抗を示した。アパルトヘイト時代に南アで開催されたトーナメントへプレーヤーがエルダーを招聘。その誘いにエルダーが快く応じて以来2人は熱い絆で結ばれている。

 エルダーは恵まれない黒人の若者や女性を支援するため基金をいち早く立ち上げ、ゴルフだけでなく黒人の社会的地位向上に尽力してきた人物。その点でも南アに学校を建設し恵まれない子供たちに無償で教育を与えているプレーヤーと志は同じ。

 マスターズでエルダーを名誉スターターに推す案が話題になるとSNS上では「是非やってほしい」「86歳ならいまやるしかないでしょ」という声も。決めるのはマスターズ委員会。プレーヤーの声は届くか?

  
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