日本の猛暑どころではない熱波に襲われている米カリフォルニア。8月中旬にデスバレーで54・4度を記録。米女子ツアーのメジャー、ANAインスピレーションの会場でも熱波が予想されていた。
そこでツアーが考えたのはキャディのゴルフカートの使用許可。「大会期間中、連日40度から45度の予報が出ています。20年は安全衛生の年。これらを念頭にカート使用を認めることにしました」と関係者に通達があった。
会場のあるミッションバレーは避寒地で、例年大会が開催される3月でも30度超え。地元の人によると「リタイアした老人が多い土地柄で、夏場は四六時中救急車のサイレンが響いている」と熱中症で搬送される人が後を絶たないのだとか。9月とはいえ気温は真夏。カートの使用もやむなしといったところだろう。
しかし、過去に今大会で3 人( グレース・パーク、ロレーナ・オチョア、コ・ジヨン)を優勝に導いたデビッド・ブルッカーキャディは「カートには乗らない」と断言。「体力は十分あるしキャディとしてのルーティンが崩れてしまうから」というのがその理由。リディア・コのバッグを担ぎ16年に優勝を経験したジェイソン・ハミルトンも「メリットよりデメリットのほうが多い」と、やはり乗らない派。
一方、11年にステイシー・ルイスとともに勝利の美酒に酔ったトレビス・ウィルソンと、ブリタニー・リンシコムと2度優勝を経験しているミッシー・ペダーソンは「許される限り使う」「氷とタオルをカートで運べる」と、乗る派だ。
キャディにとってもう1つの朗報が伝統の白のつなぎの着用が免除されたこと。ほかにもツアー側は大量の冷却タオルを用意するなど準備に余念がない。
ディフェンディングチャンピオンのコ・ジヨンは欠場。この雑誌が出るころには結果が出ているが、酷暑を制したのはさて……?
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