家族に捧げるVミスター雄鶏?ガルシア米では3年ぶり
 

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週刊ゴルフダイジェスト 2020/10/27号
2020/11/09更新

家族に捧げるVミスター雄鶏?
ガルシア米では3年ぶり

 セルヒオ・ガルシアが17年のマスターズ以来3年ぶりに米ツアーV。サンダーソンファームズ選手権で優勝を飾った。

「ヨーロッパでは勝っているから娘のアゼリアは父が勝つ姿を見ているけれど、息子のエンゾにとっては初めて。彼がちゃんと理解してくれるかはわからないけれど、米ツアーで勝てて感無量!」と久々の勝利を喜んだガルシア。

「父は9人兄弟の大家族で育ったんだ。でも今年、叔父のうち2人がコロナにかかって命を落としてしまった。とても悲しい出来事。落ち込んでいた父、そしてスペインにいるファミリーにこの勝利を捧げたい」

 トップタイからスタートした最終日は1時間半以上前に63」をマークしたピーター・マルナティにリードを許し、追いかける展開に。我慢のゴルフが続いたが、14番パー5の第2打がピンの真横にぴたり。短いイーグルパットを決めマルナティに並びかけると、最終18番でも値千金のベタピンバーディ。「セカンドは8番アイアン。思えばマスターズの最終日、勝利を手繰り寄せた1打も15番の8番アイアンだった。偶然だけどそのシーンを思い出した」というガルシアはマルナティを再逆転し、笑顔で雄鶏をかたどったトロフィを掲げた。

 昨季は不調でプレーオフシリーズ進出を逃し、大会前にはデビュー以来1000週以上守った世界ランクトップ50の座から陥落。“神の子"も40歳を過ぎ、“ただの人"になったかと思われた矢先の勝利は格別。

 ところでトロフィがなぜ雄鶏? そこにはちゃんと意味がある。冠スポンサーのサンダーソンファームズは鶏肉を扱う家禽生産者。「シルバーのトロフィではどの大会のものかわからない。異彩を放つようなものがいい」と考えたCEOが彫刻家に依頼。威風堂々と胸を張った雄鶏のブロンズ像が出来上がった。雄鶏は、闘志や戦闘態勢の象徴ともされる。PGAツアーの冠スポンサーとしては比較的小さな会社だが、ド派手なトロフィで存在感をアピール。

 父が雄鶏を掲げた姿を子どもたちも忘れないだろう。

  
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