ビッグネームが欠場し、若手が初優勝争いをするはずだった(?)バミューダ選手権で48歳のおじさん(失礼!)が逆転優勝をさらった。
おじさんとはツアー通算4勝ながら、昨今のパワーゴルフについていけず優勝から遠ざかっていたブライアン・ゲイのこと。ブライソン・デシャンボーがキャリーで400ヤード超えを実現する時代にドライビングディスタンスは290ヤード台で、部門別ランキング179位。
「若手は勢いがあるしコロナのせいでツアーは中断するし、まったくやる気をなくしていた」という48歳は、その言葉どおりツアー再開後、11試合に出場し9試合で予選落ち。あと1年少しすればシニア入りして、かつての仲間たちと旧交を温めるつもりだった。
ところがバミューダ選手権では突如として60台を連発。最終日も64をマークし上位を猛追。終わってみれば自分が大学を卒業する年に生まれた26歳のウィンダム・クラークとのプレーオフに進出していた。
プレーオフでも勢いは止まらず1ホール目で3・5メートルのバーディパットを沈め、およそ7年ぶりのツアー5勝目を手にしたのだ。
「息子ほどの選手が相手なのにね。ゴルフっていうのは本当に不思議なゲームだ。何が起きるかわからない」と実感を込めたゲイ。プロ生活20年以上、ツアーで600試合以上プレーしてきたベテランもゴルフの不思議に首を傾げる。 負けたクラークは「あと一歩だったのに。詰めが甘かった」と肩を落とし、22歳上の大先輩に脱帽した。
これで来年はツアー優勝者のみに出場が許されるセントリートーナメントオブチャンピオンズからスタートできる。3月のプレーヤーズ選手権や4月のマスターズの出場権も。もうじきシニアのはずが23年までレギュラーツアーのシード権が手に入ったのだから本人のいうとおりゴルフは何があるかわからない。“飛ばない男"の快挙はベテランの起爆剤になるかもしれない。
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