今、韓国はコロナ禍の折、空前のゴルフ景気に沸いているという。地元からのレポートをまとめた。
もともと、韓国ではゴルフは人気があり、プレー代や会員権も高価格を保ったままだったが「三密が避けられる」とゴルフ人気に拍車がかかっているというのは日本と事情が似ている。
現状、海外への渡航は厳しく制限されているため、この時期、通常なら暖かい海外へ行く延べ220万人のレクリエーションの“受け皿"になっている。また韓国企業はゴルフ場で商談するのが慣例といわれ、それも人気の理由のひとつ。
現地からのレポートを送ってくれたKPGA(韓国プロゴルフ協会)の前副事務局長ジュン・サンダク氏は、その事情を次のように話す。「10月初旬、サムスンが所有するレイクサイドGCで新型コロナ感染者が30人出て、大きなニュースになりました。政府は3日間コースを閉鎖しましたが、感染はコースからでなく、ほかの場所からだったということが判明。再開場後、さらに活況を呈しています」
ゴルフ場の予約を取るのも大変だという。「パブリックコースは通常、プレー日の4週間前の午前9時にオンライン予約を受け付けますが、10秒で満員になります。またプレー熱だけでなく、クラブやウェアの販売もヒートアップしています」(同)
プレーフィーも値上がりしていて、10月に入るとキャディフィーが12万ウォン(約1万2000円)から15万ウォンに値上がりしたという。
ゴルフ場買収でも値段がハネ上がった。今年9月に開場したソウル近郊のあるパブリックコースを民間ファンドが買収したが、その値段は1400億ウォン。1ホールあたり78億ウォンになるが、それまでの買収額は1ホール当たりで47億ウォンだったので、これを5割以上、上回ったことになる。さらに1ホール当たり100億ウォンで売却を目指す財閥系のゴルフ場もあると噂になっている。
日本ではコロナ禍の影響で外国からの訪日を制限していたが、ビジネス関係で緩和し、9月の訪日客数は1万3700人で、そのうち韓国からは1400人。もし韓国からの観光客を受け入れられるようになったら、ゴルフ客がどっと押し寄せるかもしれない。
【関連記事】こちらも注目です!
2002年 会員権は高騰、ビジターのプレーも困難日本のバブル期を思わせる韓国ゴルフ事情
2004年 ゴルフブームの自国より日本のほうが安い?韓国企業による日本のコース買収の動き顕著
一覧へ戻る
|