7月からスタートしたシニアツアー6戦目の「コスモヘルスカップトーナメント2020」は1打差の2位タイからスタートした水巻善典(62)が2位に2打差をつける逆転優勝を飾り、シニア通算3勝とした。
水巻はレギュラーツアー7勝だけではなく、93年に米ツアーのQスクールに合格。日米両ツアーを戦った経験がある。94年のバイロンネルソンクラシックではプレーオフも戦い、あと一歩で米ツアー優勝を逃した。
その後、日本の自宅を売却してフロリダに移住。日本ツアーには“出稼ぎ"という形で参戦していたことも。
シニア入りすると「成績よりも楽しいゴルフをしたい」とほとんど練習もしないスタイルで試合に臨んでいた。しかし、今年9月に所属コースの鳴尾GCで日本シニアオープンが開催されるため「週に1、2回、50球ほど集中して練習しました。それで体が動くようになりました」と少し“本気モード"になったという。
日本シニアオープンで「力が入り過ぎた」と、結果は残せなかったが(17位タイ)、練習の成果はあったようだ。「鳴尾のあるホールを想定して5番ウッドにスチールのX100シャフトを挿して使ってみたらすごく良かったんです。それでアイアンもマッスルバックにしたんです。キャビティアイアンは飛び過ぎてピンをオーバーすることがあるけど、マッスルならミスしても手前じゃないですか。重たいので体力が必要になりますが」と水巻は笑う。
試合展開が客観的に見えるようになったのも年齢を重ねたからだと言う。15番パー4で水巻は「これは勝てた」と思ったという。
「僕が3メートルで、一緒にまわっていた(グレゴリー)マイヤーが3・5メートル、寺西が5メートル。それで寺西が左に外して、マイヤーが右に外すのを見て、僕のバーディパットは入るパターンだな、とまるで解説をしているようにわかるんです。若いときにはそんな余裕はありませんでしたよ」と水巻は解説する。
「60歳を過ぎて、やっとゴルフのやりかたとか、アイアンの感触とか、ゴルフの楽しさがわかってきた気がします」と水巻。
海の向こうでは、マスターズで62歳のマイズ、63歳のランガーが活躍したのは前頁で紹介したとおり。水巻の本気モードにも期待大!
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