ブライソン・デシャンボーがマスターズでの投入を視野に48インチドライバーに取り組み、その成果をSNSにシェア。これに刺激されてか、多くの選手が「長尺ドライバー」に手を伸ばした。実は、優勝したダスティン・ジョンソン(D・J)もそのひとりだった。
実際に本番で“長尺"の使用が確認されたのは、まずはディラン・フリッテリ。44・5インチから46インチに持ち替え、結果、大会平均トップのデシャンボー(323・88ヤード)に次ぐ、2位の315ヤードの飛距離をマーク。5位タイの好成績につなげた。
そのほか、アダム・スコットが46インチに替え、平均飛距離17位(293・88ヤード)。フィル・ミケルソンは47・5インチを手に、同19位(293ヤード)にランクされた。
そして、D・Jも従来の45・75 インチのほかに47 インチも携えてオーガスタ入り。ところが、テーラーメイドの担当副社長、キース・スバーバロによれば、飛距離は約10ヤード伸びるが、他のクラブのタイミングに悪影響があるとの理由から実戦投入を諦めたという。
決断したのは開幕直前の火曜日。フィル・ミケルソン、ローリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレとの練習ラウンドを経てのことだった。
この裏の事情について、欧米ツアーの表も裏にも詳しいタケ小山の見立てはこうだ。「記事のなかでスバーバロ副社長はその日のゴルフを“練習ラウンド"ではなく“ゲーム"と語っています。これはつまり、ニギっていたということ。そして、“真剣にプレーしなければならなかった"とも言っていますから、かなりの額だったのでしょう。ギャンブルが大好きなフィルとのラウンドですからね」。そのうえで、真剣勝負のゴルフだからこそ、シビアなギア診断ができ、結果47インチの採用を回避したのだろうとも推しはかる。
この日のニギリの勝敗(?)は不明だが、たとえ負けたとしても、お陰で適切なクラブ選択ができ、優勝賞金207万ドル(約2億1700万円)を獲得できたのだから、安いものである。
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